こんにちは。
突然ですが、ボッテガって知ってますか?
「知ってるよ。編み編みの財布のブランドでしょ?」
と思ったあなた。
ボッテガのロゴ、思い出せますか?
…
…
…
思い出せないでしょう。
ないんですよ。企業ロゴ。
店頭のマークはこんな感じになっていますね。
企業ロゴが無い通称ボッテガですが、今回はそんなBOTTEGA VENETAの一風変わったマーケティング手法とブランディングについて話します。
BOTTEGA VENETAって?
ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)は、イタリアを代表する高級ラグジュアリーブランド。ケリンググループに属する。
1966年、イタリア北東部のヴェネト州で創業され、モンテベッロ・ヴィチェンティーノにある18世紀建造のヴィラを改築してアトリエを設立。本社はスイスのルガーノにあり、イタリアのミラノとヴィチェンツァにもオフィスがある。
細長い革素材をメッシュ状に編み込んだ「イントレチャート」のレザーグッズが世界的に知られている。
(wikiより抜粋)
ケリンググループには、Gucci(グッチ)やSaint Laurent(サンローラン)などが存在しています。
聞いたことがない人の方が少ないのでは?と思うくらい、有名なブランドたちですね。
SNSと共に生きる現代社会
現代のマーケティング手法の一つに、SNSマーケティングというものが存在します。
文字と拡散力ならTwitter、写真ベースならInstagram、動画ならばYouTube・TikTokがその例です。
SNSマーケティングにはさまざまな手法が存在します。
YouTuberがいきなりホワイトニングの紹介をし始める「企業案件」と、お笑い芸人がライブの告知をして集客をする「自社PR」など、例を挙げたらキリがありません。
これらは現代のSNS社会において、競合他社と差をつけたり、ブランディングをするための武器の一つとして、大活躍を果たしています。
そんな中で2021年。とある事件が起きました。
その名も「ボッテガSNS消失事件」です。
ボッテガSNS消失事件
2021年、Instagramを始めとしたBOTTEGA VENETAのSNSの全アカウントが突如姿を消しました。
当時、Instagramのフォロワー数は250万人でした。
この事件は全世界を震撼させ、多くのユーザーを混乱に招きます。
「何かの間違いじゃないか?」「間違って消しちゃったの?」
様々な憶測が飛び交う中、BOTTEGA VENETA公式からは一切のコメントもありませんでした。
しかしこの後、ファンたちが自ら@newbottega という非公式アカウントを作るなど、 SNSから姿を消してもなおボッテガの人気が落ちることはありませんでした。
ボッテガならではの戦略
事件からしばらく時が経った頃、ケリンググループのCEO、フランソワ・アンリ・ピノーがようやくコメントを残しました。
「ブランド自らが情報発信するのではなく、アンバサダーやファンに資料と情報を提供することで、彼らにブランドの魅力を代弁してもらい新たな顧客を獲得することにした」
とのことでした。
つまりBOTTEGA VENETAは、自らグイグイ出ていくのではなく、
その品質やサービスに感動したファン、ユーザー自らが拡散してくれる
という、クオリティに絶対的な自信があるからこそ出来る戦略に、大きく舵を切っていくことに決めました。
思えば、最初にお伝えしたロゴの話もそうでした。
1960年に創業された後、「イニシャルだけで十分」というキャッチフレーズと共に、ロゴが無くとも品を見れば、その職人技、精巧な技術により、BOTTEGA VENETAだと判らせることができる。簡潔にBOTTEGA VENETAだと伝えるためのマークはいらない。
というように人気と地位を獲得していきました。
品質に絶対の自信を持っているからこその戦い方は、昔から同じだったんですね。
クリエイティブ・ディレクターの言葉
SNSを削除してからのこと、BOTTEGA VENETA クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リーは、「メゾンコードを人間味のあるものに再構築していきたい」と発言しています。
プロフェッショナルがお金と時間、プライドをかけて撮った最高の1枚をSNSにアップロードするのではなく、ファンやユーザーが、自分の好きなように身につけて撮った写真が見えるようにすることで、全世界の人により身近に感じてもらうことに成功しているということですね。
新しく始めたデジタルジャーナル戦略
SNSを辞め、新しく「ISSUE 01」というデジタルジャーナルで最新情報などを発信しています。
これは、「自分たちのクリエイティブ作品を発信する際にはオーナーシップを持ちたい」という考えから生まれたものだそうです。
SNSの型に嵌らないからこそ、自信ある作品の魅力を100%伝えられる ということですね。
確かにその通りだなと納得してしまいます。
まとめ
品質に自信があるからこそ、グイグイ出ていくのではなく、これまで獲得したファンの力で拡散していく。
そしてオンリーワンの発信で、お客様を最大限に魅了させる。
これぞ「ブランド」ですね!
情報過多の現代において、「良いものなら売れる」という考えは絶対に捨てるべきです。
良いものでも、売り方を間違えば全く売れません。
ですが、良いものであればあるほどファンがついてくれるという考えを絶対に捨ててはいけないということです。
僕も改めて心から実感しました。
何年先も、プロの自覚を持ち続ける人、そして会社でありたいです。